をれをずブログ

あええええばぶばぶ

Twitter「スペース」に対する個人的な期待と挫折

 今年の春だったか、Clubhouseが話題となったとき、遂にこのときが来たかと私は小躍りした。音声SNSの波が来る。Twitterで利用したい、と思った。そしてそれはTwitterに来た。再び私は小躍りした。

 音声SNSは私の積年の願いであった。Twitterの肝=オタクとのコミュニケーションを楽しみながらも、私はテキストコミュニケーションにうんざりしていた。それは、満足度が低いからだ。テキストコミュニケーションは密度が低く、満足しようとしたら膨大な時間を奪われる。

 元来、人のコミュニケーションはマルチモーダルなもので、表情、目線、仕草など、様々な情報を同時にやり取りしていて、すごく密度が高い。音声コミュニケーションであるからテンポも早い。反対に、テキストでは、情報はほとんど落ちてしまっている上に、テンポも遅い。これで満足しようと思うのがそもそもの間違いなのだが、陰キャキモオタクはTwitterの他にコミュニケーション手段がない。

 そうした中で、音声SNSは救世主に見えた。情報が落ちていることには変わりないが、それでもテキストよりは豊富な情報である上に、テンポの問題が解決される。コミュニケーションの可能性という一筋の光が、陰の世界に差し込んだ。私は、やはり小躍りして、スペースを作成した。

 

 して、どうだったか。結論から言えば、スペースはカスだった。

 

 スペースはカス、陰キャ、陰キモだった。悔しかったから、ダメな理由を分析した。

 

 まず、私の期待を述べよう。私の期待は大きく四つだった。

  1. コミュニケーション
  2. 広場
  3. 帰り道
  4. 作業空間

 

 それぞれ解説と挫折を述べよう。

1. コミュニケーション

 これは、単にコミュニケーションを求めているだけである。普通の人間であれば、まあ、学校や職場で話したり、休日に友達と会えばいいわけだが、陰キャは社会と隔絶しているためそれができない。そこで、SNSを通じてコミュニケーションを摂取しようというわけだ。陰キャにとって、コミュニケーションはSNSでしか摂取できない必須アミノ酸といえる。

 結論を言うと、これは単なる通話であるため、スペースである必要が全く無い。むしろ開放的な空気が、場を破滅させる。

 

2. 広場

 ここで言う広場とは、「行けば誰かいる場所」のことだ。部室とか、公園とか、ゲーセンだと思ってもらえばいい。たまり場と言ったほうがいいかもしれない。

 私は広場が好きだ。だらだらしたいとき、広場でだらんとしてくっちゃべる。そんな文化的な交流がしたかった。それがインターネットによって自室からできるのなら、どんなにいいだろうと思った。

 挫折を述べよう。広場として成立しなかった。まず人がいない。人がいないなら自分が人になればいいじゃない(?)、とスペースを作成して試行錯誤していたところ、根本的な問題にも気づいた。それは、空間がないことである。

 現実空間の広場であれば、相手と自分の距離、そして身体の存在によってコミュニケーションが始まるが、スペースにはそれがない。つまり、近づいてからお互いに気づいて話しはじめるとか、そういうことが起こり得ないのだ。スペースに参加しても、「よっ」とはならない。「よっ」とならないと、人は話しにくい。

 

3. 帰り道

 人は帰り道に愚痴を言い合える仲間がほしい。社会に敗北した日の孤独な帰路は虚しいものだ。

 そこで私はスペースに帰り道を求めたが、やはり挫折した。広場の問題と同じで、まず人がいない。いたとしても体験を共有していないので、やはり話しづらい。愚痴を言うつもりでスペースをはじめても、いざアイコンと対面すると、いやこの人に言うのは違うだろうと遠慮して、結局世間話をしたりする。世界は難しい。ぽえぽえ。

 

4. 作業空間

 作業空間とは、作業に適した空間だ。研究室、図書館、自習室、共有スペース、そんなものがが該当する。

 なんとなく分かっていたが、これはやはり無理であった。そもそもスペースは空間ではない*1。空間であれば作業に集中していても人が来るのが分かるし、相手の様子も一目で分かる。スペースにはそれがないので、とても気が散るし、コミュニケーションも円滑に進まない。やはり作業空間にはVR空間くらいのものが必要なのだ。

 

 

 まとめると、「空間がないことへの挫折」と「通話以下の音声コミュニケーションに価値なし」というところだろうか。また、昨今のオンライン飲み会でも感じていたが*2、音声コミュニケーション自体にも大きな難しさがある。スペースは、それらが相まってかなり難しいSNSになっているのだろう。

 

 まあ、スペースやめて普通に通話しろってところだろうか。まさか友達と通話すらできないオタクくんはいないよね・・・w(死亡)

*1:画像はイメージです

*2:陰キモのため未参加。見栄による記述である。