をれをずブログ

あええええばぶばぶ

バンドリ5thライブに行った話⑤ ベッドから見上げ

 

 会場を出るとそこは外だった。歩くオタクに満たされた道路を見てオタクの国へ迷い込んだのを知った。ここは地球、地上にはオタクがあふれていて、道路はオタクが満たしている。混雑した中を何度か割って入られながら進んでいた。


突然2,3弾の花火があがった。別の会場からだ。ライブとは全く関係がないようだが、初披露された「夏のドーン」にかけてオタク達ははしゃいだりカメラを向けたりした。趣はあったかもしれないが、激混みの列は案の定動きが悪くなってしまった。
止まった列はとても蒸す。暑い。ライブ後だ、しだいに汗の臭いが広がってきた。挙げ句の果てにイカ臭さも漂ってきた。頼むから進んでくれ……。

 

しばらく歩いて列を抜けた。30分ほど会場の余韻を味わってから帰ることにした。駅は目を疑うほどに人で溢れていた。容疑者eyeとなんとか乗り込むことができた。(後日、eyeは無事放免された。)

オタク達と汗くさいおしくらまんじゅうをしながら、東京方面、八丁堀へと向かった。

 

窓越しに海を据えながらタイムラインを追った。楽しかった、最高だった、ライブの感想がごうごうと流れてくる。しだいに人が減っていき、八丁堀についたところで私も降りた。夜遅かったので適当にコンビニで夕食を買って宿へ向かった。

 

重たい足を引きずって歩く。宿へ着くともう11時を回っていた。はじめてのカプセルホテルにおそるおそる入ってチェックインを済ませた。思ったより内装は綺麗で受付も丁寧だった、これがジャパンクオリティかと感動した。

 

1階へ降りると暗い部屋にカプセルが並んでいた。あまりの陰気臭さに「カプセルホテル、やばいな、、」とツイッターで呟くと、すぐさま「カプセルホテル最高だろ」「普通のホテルより好き」とリプライがついた。頭のおかしい人間はかくも多いものかと絶望しながら荷物の整理をし、シャワーを浴びて寝る支度をすませた。もう12時を回っていた。時間の都合を考え夕食は抜くことにした。明日の朝にでも食べよう。

 

そのままカプセルに入って寝ようと思ったがどうにも寝る気になれず、壁に寄りかかって天井を見上げた。目を閉じて、開いて、タイムラインを遡ることにした。時間が遅いこともありもう静まってきていたが、口々に放たれる言葉があった。「楽しかった。」。素直に首を縦に振れない自分がいた。「じゃあ楽しくなかったのか?」今度は首を傾げる。「いや、そんなことは……。」

 

気づけばはじめの問いと対峙していた。楽しいと言い切れない自分がいて、最高だと話す他人がいた。考えられる原因は2つ、俺が楽しめない人間なのか、あるいは楽しいの意味合いがズレてるのか。

 

ライブの楽しさというのも体験から考えた。音楽を聴き、演出を楽しみ、キャストを見て、体を動かし、声を出し、盛り上がる。 あるいは演出を分析したりする。濃縮すれば「見る」「動く」「盛り上がる」だろう。

 

しかし感想を見ていると段々と気分が高揚してくる自分もいた。数時間前に見た光景について書かれているだけなのだが、文字に起こされると新しい感動がある。しまってあった感情が引き出されて少し違った震え方をする。そういえば普段自分がバンドリ垢でしていることもそんなようなことだ。文字というのは記録するだけではなくて増幅する効果もあるらしい。

 

何か考えが進む予感がした。しかし思考を深めるには眠すぎた。時刻は1時半を回っていた。思考よりも眠気の波が重なる方が早かった。素直に寝た。

 

 

 

しばらく寝付けなかったが2時半には寝ることができ、起きたら7時半だった。まだ眠かったので9時ごろまで寝なおした。

 

9時を過ぎても仰向けのままダラダラとスマホを見ていたが、しばらくして起きて支度をして、10時半だったか、チェックアウトを済ませて宿を後にした。聖地巡礼、いっちょ行きますか。